今回取り上げるのは、名古屋大学の大学院数学科(正確には大学院多元数理科学研究科)のHPに書かれていた「学び方」です。
大学大学での学び方の対するものですが、高校生の勉強にも同じことが言えます。
名古屋大が伝えたい「正しい学び方」
- 皆さんが自主的に学習計画を立て, それを実行し, その結果を報告する
- 研究科の教育体制は, その皆さんの自主的活動を支援するために作られている
- 皆さんの学習は, 活発な研究者・仲間達との触れ合いの中で行われる
非常に大切なことが、非常に端的にまとめられています。これらはすべて高校での勉強にも当てはまることだと思います。
一つずつ解説していきます。
自主的に学習計画を立てる
まず、本格的に受験期に入るまでの勉強は、学校で与えられた(あるいは塾で)課題が中心で問題ありません。
ですので、基本的には「何をするか」は与えられていると思います。
それを、しっかりとやり遂げるための計画を立てましょう。
- わからないところを質問する
- 課題を提出する
ということです。
特に①に関しては、わからないところをとりあえず解答を写して終わっている人多いのではないでしょうか?
自分で考えてもわからないところは、友達か先生に質問しましょう。
他にも、友達とどこまで計画が進んでいるか報告し合うのも刺激になって良いかもしれませんね。
受験生に関しては、学校や塾の課題にプラスして自分で計画的に問題集や参考書を進めていく(復習)ことが大切になります。
このあたりの計画の立て方や進め方はこちらの記事で解説しています。
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学校は皆さんの自主的活動を支援するためにある
塾の存在が大きくなってきたので、勉強とは「教えてもらう」ものだという間違った考えをしている人を多く見かけるようになってきました。
その考えでは、たとえ大学受験を突破しても大学に入ってからの研究では必ずつまづくでしょう。
勉強を「する」のは皆さんです。
学校の塾もすべての教育組織は、皆さんの10の学習を12にするためにあるのです。
学習は, 活発な仲間達との触れ合いの中で行われる
まずは自分で努力することが第一歩のスタートですが、一人では限界があります。
一人では勘違いが訂正されません。
自分の理解が本当に正しいのか確認ができません。
(「答えが合う」ということと「正しい理解をしている」ということは同じではありません。学習する上で大切なのは「正しい理解をしている」ことです。このあたりは長くなるのでまたの機会に書きます。)
「正しい理解」は友達に質問したり、あるいは友達から質問されたことに答えたり、先生と一緒に問題を解いたりする中で、徐々に培われていくものです。
勉強のことについて、積極的に友達と話をしていきましょう。
まとめ
名古屋大学の求める学び方をおさらいしておきます。
- 【計画】自ら計画を立てて実行しする学習習慣を身につける。
⇓ - 【報告】自分でわからないところは必ず質問し解決する。
勉強の進み具合を友達同士で報告しあって刺激を受ける。
⇓ - 【共同的学び】答え合わせなどを積極的に友達とする。
「考え方が正しい」か先生に聞いてみる。
そのことで自分の理解が正しいより深まる
他大学でも「学び方」についてメッセージが出されている
受験を突破するためだけの勉強をしてしまった受験生は大学入学後の学びに苦労してしまうケースもあります。そういった生徒が年々増加しているのか、少し大学側も危機感を覚えているようです。
名古屋大学だけでなく、多くの大学で、「勉強の仕方」や「心構え」についてのメッセージが掲載されています。
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