応用理工学科についての説明は目次の③からになります。北大や工学部の説明を飛ばしたい方は③から読んでください。
北海道大学について
まずは北海道大学について
大学の雑感や公式サイト
北海道大学の公式HPはこちら。
割と見やすいHPになっていますね。高校生が必要となる、学部学科の紹介のページへもたどり着きやすい構成となっています。各学部学科のページも古臭い感じはなく、画像もたくさん盛り込まれていて、しっかりと高校生に向けてアピールしようという姿勢が感じられますし、頻繁に更新されているような印象も受けます。
入試制度に特徴あり
「総合入試」では、「文系」「理系」の2分野で募集。入試についての項目で解説します。
農学部・水産学部など北海道を象徴する学部あり
他の大学と比べて、農学部が大きいです。さらにあまり他大学にはない水産学部・獣医学部があります。まさに北の大地・北海道らしさが溢れる学部構成ですね。
街の中心部に所在
北海道大学は札幌駅の近く、まさに街の中心部に大学があります。
学問以外の生活の面でも楽しめますね。
北海道大学の学部構成(各リンク)
さすが旧帝大。総合大学でめぼしい学部は全て揃っています。工学部を見ていきましょう。
北海道大学工学部について
次は工学部について見ていきましょう。
学科構成
応用理工学科(160) | 応用物理学コース | 応用化学コース |
応用マテリアル工学コース | ||
情報エレクトロニクス学科(180) | 情報理工学コース | 電気電子工学コース |
生体情報コース | メディアネットワークコース | |
電気制御システムコース | ||
機械知能工学科(120) | 機械情報コース | 機械システムコース |
環境社会工学科(210) | 社会基盤学コース | 国土政策学コース |
建築都市コース | 環境工学コース | |
資源循環システムコース |
全部で4学科あります。()が各学科の人数です。
注目は環境社会工学(210人)ですね。コースとしても国土政策学や資源循環などまさに北の大地を象徴するようなコースが設定されています。
工学部の雄、機械学科は学部内最小人数でコースも情報寄り。いわゆる長高大なものづくりからは、少し距離をとっているような印象を受けます。どこにでもある工学部ですが、北海道大学の工学部はなかなか特色がありそうです。
候補に考えている人は是非、中身をじっくり調べてみることをオススメします。他ではできないこともできるかもしれません。
北海道大学工学部の入試について
入試についてはかなり特徴的です。
入学時点で学部を決めない総合入試という選抜方法がとられています。それとは別に各部別でも募集をしていますが、定員としては総合入試の方がかなりの割合を占めています。
1年次の終わりに学部学科の決定をするようです。決定方法は北海道大学の公式サイトのこちらで確認できます。
希望が多かった場合は成績順で決定されるようで、自分が希望する学科へいけるとは限らないようです。
大学でやりたい学問がまだ決めきれないという人にオススメの入試
以上のことから、大学に入ってから進路を決定できるので、まだ自分が何をやりたいのか定まっていないなぁという人にはオススメです。
絶対にやりたい学問がある人には不向きかも
逆に絶対にやりたいことがある人は、成績によってはそのコースにいけないので、不向きかもしれません。しかし、北海道大学に絶対にやりたいことがあるのならば、入学してから頑張って良い成績を取れば良いだけですので、重く考える必要はなさそうです。
どうしても怖い人は、学部別入試の方を受験しましょう。
なんと文転もできる
リンク先の公式サイトを見ればわかるように、理系の総合入試で入学しても、文系の学部にいけるようです。
一般的には総合入試(文系)入学者は文系学部へ、また、総合入試(理系)入学者は理系学部へ移行すると考えられますが、他系の学部を選択することもできるので、文系・理系を問わず全学部が移行の対象となります。
応用理工学科について
いよいよ応用理工学科について見ていきましょう。
学科の特徴・理学部との違い
理工学という名前、そしてコースの構成からもわかるように、工学部の中ではかなり理学部に近い位置づけの学科となっています。
例えば、理工学部応用物理学コースと理学部物理学科を北海道大学の公式サイトで見比べてみます。
理工学部応用物理学コース
物理学を探求し、さらに社会への応用につなげるための学問。それが応用物理工学だ。
や
物理学の深化と革新技術の萌芽を目指す学問。
など、やはり工学部ということで、最終的に技術・物づくりに帰結させていくようですね。
理学部的に物理という学問をしっかり学んでから、記述に応用させていくというコンセプトのようです。
理学部物理学科
これらのコア科目群を習得することにより物理学という共通の言語で様々な現象を議論し理解することができるようになり、素粒子・原子核の極微な世界から、半導体や超伝導や磁性などの種々の凝縮系物質、 そして、最もスケールの大きな宇宙まで、さまざまな研究を進めるスタ-トライン立つことができるようになります。
やはりこちらは最先端の基礎研究のようです。
そもそも、理学部では物理学科として学科で独立しているのに対し、応用工学科では物理コースとして位置づけされているわけですから、本気で物理・化学・生物などの学問をやりたい場合は理学部になるでしょう。
応用工学科では、学んだ学問・技術を社会に活かすということに興味がある人向きだと思います。
応用理工学科のコースについて
物理・化学・材料の3コース
応用マテリアルコースは、材料系のコースですね。
コースの詳細はやはり公式サイトを自分でよく調べるのが良いでしょう。
HPをみたところ、工学部のページの中にコース説明のページがあり、それとは別に、それぞれのコースが独自にHPを作っているみたいです。
そのため、2つページがあるような感じになっていて、若干ややこしいですが、その分内容は充実しています。北海道大学なかなか頑張っていますね。
個別ページのリンクを貼っておきます。
物理学を探求し、さらに社会への応用につなげるための学問。それが応用物理工学だ。
限りなく広がっている研究対象から、キミが発見した「何か」が、
世界を変えるかもしれない。
研究内容は、光・音、トポロジー、ネットワーク、新物質、半導体とあります。
物理好きの私からするとかなりワクワクします。
この内容から見てもかなり理学部寄りですね。トポロジーなんかは数学です。
HPでもすぐにわかるように、これらの理論物理的な部分をしっかり商品や技術レベルまで落とし込むということを研究されているようです。
HPを見ているだけで本当にワクワクします(笑)
現代社会を支えている、便利な化学製品の数々。
それを生み出す元素の組み合わせには、無限の可能性がある。
環境に配慮しながら、社会の発展に貢献する新物質を開発しよう。
2010年にノーベル化学賞を受賞された鈴木章氏は、この応用化学コースの前身の応用化学科でおこなっていた研究での受賞でした。
HPにあるように、次世代通信や燃料電池、再生医療工学などを研究しているようで、どれも最先端の化学の技術です。研究内容はかなり面白そうですね!
HPは充実していて、みやすく造れています。
高校生にはあまり馴染みがないかもしれませんが、北大ではマテリアル工学とは「材料工学」のことを指すようです。様々な製品で使用される新素材の研究開発をおこないます。
単なる物質を、機能を持った「材料」に変える。
そこには、研究者としての夢がある。
現代社会に求められるマテリアルを生み出して、人類のより良い未来に貢献しよう。
応用マテリアルコースのHPは他の2つに比べて少し見づらいですね。一般や高校生向けというより、在学生や卒業生向けに作られてる印象です。
研究内容としては、大きく3つマテリアル設計、エコマテリアル、エネルギー材料の3つに分かれているようで、それぞれの部門でさらにいくつもの研究室に分かれています。
マテリアル設計は、ナノ粒子がどのような挙動を示すのか、などを研究する研究室などがあり、新素材をやりたい人向けです。
エコマテリアルは環境系ですね。
エネルギー材料は、高温下での材料研究などをしているようです。