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【大学調べ】大阪大学 工学部 応用自然科学科を解説

応用自然科学科についての説明は目次の③からになります。大阪大や大阪大学工学部の解説を飛ばしたい方は③から読んでください。

大阪大学について

まずは大阪大学について

(大学HPより)

大学の雑感や公式サイト

公式HPはこちら

HPを見ると「オモロイ阪大」というキーワードが掲げられていて阪大では「オモロイ」研究をしていくぞというメッセージが込められています。

 

これは完全に個人的な偏見なのですが、大阪大学はどちらかというと「堅い理系の大学」というイメージがあります。

生徒にはマジメで優秀な、いわゆる優等生が多い印象です。

ここで言われているような「オモロイ」学生が多いのは京大のイメージです。

 

 

こういったイメージが単なる偏見で間違いなのか、こういったイメージを払拭するためにあえて「オモロイ阪大」というキャッチコピーをつけているのか

どちらにせよ、「オモロイ阪大」をアピールするために、研究内容の紹介にはかなり力を入れてHPを造っています。

「大阪大学の教員によるミニ講義」というタイトルで高校生向けに研究内容を紹介するページがあります。

研究内容紹介ページ

 

 
室長
講義の映像が見られますよ!
 

もうちょっと踏み込んだ、最新の研究結果を発表しているページもあります。

研究情報ページ

 

他には大阪大学のPVも用意されていました。

 

次に大阪大学の特徴です。

大阪大学の特徴
  1. 緒方洪庵が1838年に設立した適塾がルーツ。「人のため、世のため、道のため」という思いが受け継がれている。
  2. 医学部・理学部ついで工学部が加わり理科系帝国大学としてスタート
  3. 理学部・工学部の他に基礎工学部がある。農学部はない。
  4. すべての学部で【総合型選抜】か【学校推薦型選抜】の入試を実施
  5. キャンパスは3つ。どれも駅から少し歩く場所。

それぞれの項目を簡単に解説します。

福沢諭吉で有名な適塾がルーツ

学問において、歴史と伝統というのは非常に大切です。

ニュートンが「巨人の肩のに乗っている」と言ったように、学問そのもの自体が歴史の積み重ねによるものですから。

 

大阪大学は有名な「適塾」をルーツに持ちます。

「適塾」は塾生が猛勉強したことで有名です。

福沢諭吉が勉強していて気づいたら寝ているという生活を続けていて、最後に横になって寝たのがいつだか思い出せなかったという有名なエピソードがあります。

後に卒業生は適塾時代を振り返り、「目的なしの勉強」を提唱している。塾生は立身出世を求めたり勉強しながら始終わが身の行く末を案じるのではなく、純粋に学問修行に努め、物事のすべてに通じる理解力と判断力をもつことを養ったのである。

(wikipediaより)

これは研究に通じるものがあります。

昨今は実用につながる研究にしか予算がつかないようですが、本来研究は己の好奇心がスタート地点で純粋な知的欲求によって進められるものです。

「目的なしの勉強」をしていた福沢諭吉が紙幣に採用されるほどの大人物になったように、純粋な知的欲求からの研究がまた世のためになるものです。

 

現在の大阪大学にももしかしたら、とにかく知的欲求に応じて寝食忘れるほどひたすらに研究に打ち込む雰囲気が残っているかもしれませんね。

 

理科系帝国大学としてスタート

適塾がその後に大阪医科大学となりそれを前身に、医学部と理学部で大阪帝国大学がスタートし、すぐ後に工学部が加わりました。

大阪大学といえば、理系のイメージが強いですが、このような歴史からくるものですね。

 

理学部・工学部の他に基礎工学部があり、農学部はない
大阪大学の学部として特徴的なのは理学部工学部の他に「基礎工学部」が設置されていることです。
さらに、旧帝大としては唯一農学部が設置されていません。

 

全ての学部で、一般入試以外の総合型選抜、学校推薦型選抜のどちらかを実施
 

【総合型選抜】
文学部、人間科学部、外国語学部、法学部、経済学部、理学部 

【学校推薦型選抜】
医学部医学科、医学部保健学科、歯学部、薬学部、工学部、基礎工学部

詳細は、後ほど「基礎工学部の入試制度について」で詳しく解説します。
 
キャンパスは3つ。
 どれも駅から少々歩く。

各部によって使用キャンパスが異なります。

◯阪急電車宝塚線
石橋阪大前駅下車 徒歩約20分

 

◯大阪モノレール
柴原阪大前駅下車 徒歩約12分

全学教育(1年生は全員)は豊中キャンパスで一般教養を受講してその後各学部の所属キャンパスに移ります。

2年生以降も豊中キャンパスを使用する学部

  • 文学部
  • 法学部
  • 経済学部
  • 理学部
  • 基礎工学部
 
◯阪急電車千里線
北千里駅(終点)下車 徒歩約20分

 

◯大阪モノレール
阪大病院前駅下車 徒歩約10分

◯近鉄バス
・阪急茨木市駅発「阪大本部前行」(JR茨木駅経由)阪大医学部前または阪大本部前下車 徒歩約10分

全学教育(1年生は全員)は豊中キャンパスで一般教養を受講してその後各学部の所属キャンパスに移ります。

2年生以降に吹田キャンパスを使用する学部

  • 医学部
  • 歯学部
  • 薬学部
  • 工学部
  • 人間科学部

箕面キャンパスは旧大阪外国語大学で、外国語学部のみです。

 

大阪大学の学部構成(各リンク)

文学部
○人文学科
人間科学部
○人間科学科
外国語学部
○外国語学科
法学部
○法学科 
○国際公共政策学科
経済学部
○経済・経営学科
医学部
○医学科 
○保健学科
歯学部
○歯学科
 
理学部
○数学科 
○物理学科 
○化学科 
○生物科学科
薬学部
○薬学科 
○薬科学科
工学部
○応用自然科学科 
○応用理工学科 
○電子情報工学科 
○環境・エネルギー工学科 
○地球総合工学科
基礎工学部
○電子物理科学科 
○化学応用科学科 
○システム科学科 
○情報科学科
 
室長
上でも書いたように「基礎工学部」が特徴的で農学部がないのも要注意。
 

大阪大学 学問コンシェルジュ

受験生のみなさんが持つ興味・関心や将来やりたいことと、それをかなえる学問や研究が大阪大学のどこの研究室でできるのか、そのためにはどの学部に進めばよいかをマッチングする診断システムです。

阪大のホームページに、キーワードを選択していくと自分の興味がどの学部学科と関係性があるのかを診断してくれるコーナーがあります。

学問コンシェルジュ

 
室長
高校生にとっては知らない学科も多いから、阪大志望じゃなくてもやってみるのがオススメ。
 

大阪大学工学部について

次は工学部について見ていきましょう。

公式HPはこちらから。

 
室長
受験生向けのページもあります
受験生用のHPは他学科よりも充実していますね。
阪大工学部志望の人は一通り見ておくことをおすすめします

プロモーションビデオも制作されていました。

学部紹介動画もあります。

大阪大学工学部の特徴

大阪大学工学部の特徴
  1. 創立120周年を超える伝統
    中央政府ではなく大阪の産業界と行政主導で造られた歴史を持つ
  2. 他大学にはない多彩な学科
    工学部は5学科16コース
  3. 国立大学では珍しい、充実したサポート体制

産業界と行政主導で造られた学校
全身となる大阪工業学校が設立されてから120年以上の歴史があります。
この大阪工業学校は地元の産業界、大阪の行政によって造られました。
歴史的に地域との関わりが深い学校なのです。
そういった歴史によって
地域や行政との太いパイプがある
 
自治体や商工会議所等との産官学連携活動の推進など種々の機会をとらえて、常に地域社会との関連を重視しています。
 
室長
工学部という実用的な学部にとって企業との関わりが深いのは大きなメリット
 
その証として

「大学等における産学連携等実施状況について」において、大阪大学は以下の3分野で国内トップ

・民間企業からの研究資金等受入額(共同研究・受託研究・治験等・知的財産)
・民間企業との共同研究費受入額
・民間企業との共同研究費受入額のうち1000万円以上の研究費受入額

また

企業との「共同研究講座」を日本で初めて2006年に阪大工学部が設立しています。

他大学にはない多彩な学科

本学部は醗酵、溶接、通信、環境など特色ある学科を全国に先駆けて創設しました。これは大阪という比較的自由な雰囲気を持った土地柄や、地場産業と深く関わりながら発展して来た経緯が、オーソドックスな学部構成にこだわらないユニークな学科を誕生させたのです。しかも学科名も型にはめず、研究・教育内容の変更とともに、名実ともに内容を絶えず改めていく先進的な気風にあふれています。

大阪人の魂を感じますね(笑)

現在は、名称的には一般的な学科となっていますが、物理・化学・生物がすべて含まれた「自然科学」の学科が設けられているのは特徴的かもしれませんね。

充実したサポート体制
学部ごとに主に学科を単位としてクラスを編成し
 
担任制度を設けています。
 
担当教員はクラス担任として、クラス学生の学習の助言、履修指導その他学生個人の諸問題に関する相談相手の任に当たっています。
担任制度のある国立大学は珍しいでしょう。サポート体制には力を入れているようです。
 
まぁ、大学生になってまで担任の先生に管理されるというのは、好き嫌いが分かれそうですが・・・(笑)
 
室長
私なら担任はめんどくさそうでいらないな(笑)
 

学科構成(リンク)

()は募集人数です。募集人数は大学の力の入れ具合が反映されることも多いので、大学選びでは重要な要素となります。

工学部は5学科ありそれぞれの合わせると16コースあります。

 

他大学との比較

 他大学の工学部と募集人数を比較してみましょう。同じ偏差値群Aと比較してみます。

 偏差値群って何?という人はこちらの記事を参照してください。

【大学の偏差値群】

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 【偏差値Aの工学部】

大阪大学 工学部5学科
820人
北海道大学 工学部4学科670人
東北大学 工学部5学科810人
名古屋大学 工学部7学科614人
九州大学 工学部6学科778人
東京工業大学5学科314人

大阪大学が一番募集人数が多いですね。

さらに大阪大学は理学部と工学部の中間的存在の基礎工学部が435人の募集人数をもっていますから、大阪大学が工学分野にどれだけ力を入れているかわかるでしょう。

 
室長
圧倒的じゃないか、我が軍は
 

(参考)東京工業大学のも理学と工学の中間的存在の「理工学院」を設置しています。工学部の人数だけではかれない部分もあります。

 

研究内容紹介ページ

受験生向けのページに研究内容紹介のページもあります。

研究内容紹介

インタビューのような形式で解説されており読みやすいので、是非見てみてください。

さらに、キーワードから研究室が検索できるシステムがあります

「工学研究科 研究室総覧」というページです。

研究室検索システム

こんな感じ

もちろん、検索だけじゃなく、各学科から探していくことも可能です。

 
室長
是非、自分が学びたい研究をやっているところがあるか調べてみよう。
 

大阪大学工学部の入試について

大学の特徴でも触れましたが、大阪大学では全ての学部で、一般入試以外の総合型選抜、学校推薦型選抜のどちらかを実施しています。

 

今年度から

「AO入試」 → 「総合型選抜」

「推薦入試」 → 「学校推薦型選抜」

に名称が変更されます。 

 

基礎工学部では、「学校推薦型選抜」が実施されます。

大阪大学工学部の入試の特徴

募集定員の約10%強が「学校推薦型選抜」で募集される。

工学部には出願資格が定められています。
こちらの出願資格は昨年度のものではなく、今年度実施されるものです。
次の①~⑤のいずれかに該当する者。
  1. 高等学校等において、数学、物理学、化学、生物学、地学など科学分野の自由研究又は課題研究を行った者※
  2. 大阪大学SEEDSプログラムに参加経験のある者
  3. 科学分野のコンテストに出場経験のある者
  4. 調査書の数学、理科の評定平均値が全て 4.3 以上の者
  5. 次に指定する試験のいずれかを選択し、そのスコア証明書又は合格証明書を提出できる者
    ・ 英検(方式は問わない)…準1級以上(高等学校在学中又は中等教育学校4~6年次(但し、既 卒者は高等学校第2学年以降に相当する期間)に合格)
    ・ TOEFL-iBT …スコア 80 点以上(「MyBest Scores」ではなく出願期間の初日から遡り 2年以内に取得した「Test Date Scores」)
    ・ IELTS(Academic Module)…スコア 6.0 点以上(出願期間の初日から遡り2年以内に取得)

     ※スーパーサイエンスハイスクール(SSH)、グローバルサイエンスキャンパス(GSC)による研究も含む

出願するにはどれかを満たしておく必要があります。
 
試験の内容は
一次選抜
書類審査

 

二次選抜
面接100点+センター試験の結果

です。
 
 
室長
詳しい内容については必ず募集要項で確認しましょう

応用自然科学科について

応用自然科学科の特徴
  1. 1年次は自分の専門分野を決めず、総合的に学ぶことができる
  2. 大学院進学率はおよそ85%程度。
  3. 2年次より
    1. 応用化学科目(約80名)
    2. 応用生物工学科目(約60名)
    3. 物理工学科目(約40名)
    4. 応用物理学科目(約40名)
      の4科目(コース)に分かれる

応用自然科学科のHP

1年次は専門分野を決めず総合的に学ぶ

物理・化学・生物すべての分野がつまった学科ですので、まずはそれらを総合的に学びます。

応用自然科学科の特徴は、1年次では自分の専門分野を決めないことです。もし今、あなたが「化学」「物理」「生物」など自分の進路で迷っているなら、1年間しっかりそれらを総合的に学んだ上で、2年次でじっくり専門分野を決めるのも1つの選択肢です。本学科には、農業や医学の分野も視野に入れた学生もいるなど、学生の集まりも多様です。

とあります。

 
室長
物理か化学か決められない人、結構いると思います。
 
共通する理念は
自然科学の知識を産業に活かして、社会問題解決につながるパフォーマンスを生み出す
こと。
 
現在の科学では、それぞれの分野が独立しているということはほとんどなく、密接に絡み合っているので、すべての分野を総合的に学んだ知識や経験というのは研究者や技術者になってからも大きな支えとなります。
 
室長
他分野の総合的な知識は必ず活きます
 

大学院進学率は85%

大学院への進学率はおよそ85%程度のようです。

進路情報はこちら

コースは4つ

2年次より4つの科目「応用化学科目」「応用生物科目」「応用物理工学科目」「応用物理学科目」に分かれます。

1年次に総合的に学んだ中で、自分のやりたいことを見つけ出し、2年時から各科目で専門分野を深めていきます。

各科目をそれぞれ解説していきます。

 

応用化学科目

応用化学科目のHP

応用化学科目の特徴
  1. 化学分野は一番応用範囲が広い
  2. 環境・エネルギー化学、生命化学、マテリアル化学の3分野が最重要分野
  3. 定員80名に対し20の研究室を用意

プロモーションビデオがありました!

https://www.youtube.com/watch?v=RxETJ8NdlW8

(現在非公開になっています)

 

化学が一番応用範囲が広い

物理学、生物学を含む全ての科学が原子・分子サイズの視点で見直されている現在、化学が培ってきた知識と技術が共通の言語となりつつあり、医学・薬学・材料・情報・環境・エネルギーなどの各研究分野を結びつけ、さらに発展させるための原動力となっています。

これは阪大に限らず、化学分野というのはその応用に物理や生物分野も含んでいるので、一番研究範囲が広いです。

それゆえ、化学の道に進む人は必然的に物理と生物も学習しておく必要があります

そういった点からも、阪大の応用自然科学科は1年次にすべての分野を学習するカリキュラムになっているので化学を学ぶにはうってつけかもしれません。

 
室長
応用自然科学科のカリキュラムと合致
 

環境・エネルギー化学、生命化学、マテリアル化学の3分野が最重要分野

応用化学科目では

  • 新素材の開発
  • 物質変換の新方法の確立
  • 資源・エネルギーの超高効率利用
  • 高性能エレクトロニクス材料
  • 医薬品・医用材料などの生命科学関連化学品の開発

など、環境・エネルギー化学、生命化学、マテリアル化学の3分野の研究に力を入れています。

また、超分子化学や分子生物学、ケミカルバイオロジーなどの物理や生物と融合した境界領域を切り拓く研究を推進しています。

4年時より配属される研究室は分子創成化学コース物質機能化学コースに分かれています。

分子レベルで化学反応を自由に制御する
原子・分子の集合体である物質のもつ様々な機能の探求
 

80名に対し20の研究室

応用化学科目の定員は80名です。

その生徒数に対し20の研究室が用意されているので、単純計算で

1研究室あたりの生徒数は 4人/室

となります。この人数だと十分な指導が受けられると言えるでしょう。

この数は大切なので、もう少し詳しく見ていきます。

【国立・私立比較】研究室あたり人数

 生徒の数と研究室の数の比はとても大切です。人数が少なければ、教授からしっかり研究の指導を受けることができます

 みなさんは国公立大学と私立大学の違いは「学費」が1番に思いつくと思いますが、実はの一番大きな差は研究室あたりの生徒数です。研究の環境が全く違います。

 
室長
国公立大学はゼミでの手厚い指導が期待できる。
具体的に数字で見ていこう。

大阪大学の応用化学科目の場合、4人/室でした。

近場で人気の同志社大学と比べてみましょう。

例えば、同志社大学化学システム創成工学科の場合、2019年の入学定員は83人で同志社大学のHPで確認できた範囲では研究室の数は7です。

 よって、11.8人/室です。

【研究室あたり人数比較】

大学大阪大学 工学部
応用自然科学科 応用化学科目
同志社大学 理工学部
化学システム創成工学科
定員約80人83人
研究室20分野7分野
人/室4人/室11.8人/室

全然違いますよね。

阪大の場合、学科ではなくコースですが、そこは本質的な違いではありませんし、定員の数も同じ程度なので特に比べることにおかしな点はありません。

阪大の場合は、コース分けなので定員にばらつきがあると思いますが、それも誤差の範囲でしょう。

同志社大学はもちろん関西一の私立大学ですから素晴らしい教育が受けられると思いますが、教授1人が各学年10人もしっかり研究指導できるのかと言われれば、どうでしょう?

研究室の内容

研究室一覧

分子創成化学コース

分子レベルで化学反応を自由に制御する
具体的な研究内容は
  • 医薬品中間体などの有機ファインケミカルズの合成
  • 有機金属錯体触媒を用いた新触媒反応の設計・開発を中心に研究
  • 人と環境にやさしく、かつ環境保全や医療に役立つ高機能材料の開発
  • 分子設計により高機能性の新規材料の開発
  •  分子性触媒の自己集積化に基づく新規触媒材料の創出
  • 遺伝子発現や免疫現象、骨粗鬆症や糖尿病に関わる生命現象を可視化する化学プローブの開発
 
室長
新触媒や新素材の研究がメインですね。
工業・医療様々な分野への応用が期待されます。
 
物質機能化学コース
原子・分子の集合体である物質のもつ様々な機能の探求
具体的な研究内容は
  • 従来にないメカニズムの電池を開発
  • タンパク質のX線結晶構造解析
  • 次世代型抗体医薬品の開発
  • 機能分子の創製、タンパク質の機能化、新規生体触媒やナノバイオマテリアルの創製
  • 二酸化炭素の合成化学への活用
  • 機能性高分子の精密設計・合成と物性・機能評価を研究
  • 有機太陽電池・トランジスタなどの有機半導体材料の開発
  • 有機ELや、有機トランジスタ、有機太陽電池の研究
  • 結晶中で分子の配列を制御
  • セルロースナノファイバー材料の開発

などなど。

応用生物工学科目

2021年4月から応用生物工学コースはバイオテクノロジーコースに名称が変更されてます。

応用生物科目のHP

 

応用生物工学科目の特徴
  1. 生物学を基礎とする、国内でもユニークな工学部の学科目
  2. 生命現象のメカニズムを理解し工学的に応用する
  3. アグリバイオ、ケミカルバイオ、フードバイオ、ファーマバイオ、の4分野に重点

プロモーションビデオもあります。

 

国内でもユニークなコース

工学部というと、物理選択生のイメージがかなり強いですが、この科目は工学部の中の「生物」分野です。

最近は、iPS細胞などに代表される医療科学にかなりの注目が集まっているので、所謂「医療工学」「生命工学」の分野の研究が盛んになりました。

今後は、どの大学でもこの分野の研究は増えていきそうですが、阪大は先駆者というところでしょうか。

 
室長
他の大学では農学部に生命系のコースが有ることが多い。
工学部に設置されているのはめずらしいかも。
 

生命現象のメカニズムを理解し工学的に応用

こちらも、最近かなり話題に上がります。

自然な生命が保つ機能というのはとてつもなく効率的に設計されています。

生命現象の仕組みを解明して、それを模倣し工学的に応用しようという分野です。

アグリバイオ、ケミカルバイオ、フードバイオ、ファーマバイオ、の4分野に重点

取り組んでいる研究分野は

  • 食品、医薬品、農薬などに使う有用物質の探索と生産理論の確立
  • 食品の品質評価技術開発
  • 新しい生物機能の開発
  • ワクチンや抗体医薬などのバイオ医薬の製造と分析
  • 再生医療などの未来医療技術の開発

などなど、ゲノム工学、生化学、分子生物学、細胞工学、生物物理化学、幹細胞工学そして生物化学工学などの分野における先端技術に関する研究をしています。

 
室長
「医療工学」「生命工学」は最近めちゃくちゃ注目されています。
 

研究室の内容

研究室での具体的な研究内容をざっと見ていきましょう。

  •  ミジンコの環境応答遺伝子の解析
  • 高品質なバイオ医薬品のための物性研究
  • 植物におけるゲノム編集技術の開発
  • 新しい代謝システムを用いた有用化学品の生産
  • マルチスケールにおける生体応答解析に基づく生体形成の解明
  • 抗体医薬のための細胞構築と培養技術の開発

などなど。

物理工学科目

物理工学科目のHP

物理工学科目の特徴
  1. 「ナノレベル」のものづくりがキーワード
  2. 2年次の成績順で上位8名は特別に3年次から研究室に配属できる「トップ8制度」が特徴的
  3. 世界最高性能を誇るウルトラクリーンルームを保有
  4. 研究テーマは次世代デバイス開発、原子レベルの構造構築、新機能材料開発など

プロモーションビデオがあります!

物理工学科目に対応する大学院のコースが精密工学コースとなります。(動画のタイトルは精密”工学”コースの間違いかと思います。

「ナノレベル」のものづくり

この物理工学科目はものづくりの中でも「ナノレベル」のものづくりにフォーカスしています。

  1. 原子・分子を制御してつくる技術
  2. みえないものをみる技術
  3. シミュレーションによって予測する技術

の3つの技術を研究開発していきます。

これまで私たちが培ってきた英知を結集して原子スケールのものづくり技術を創出するのが「物理工学/精密工学」のミッションです。大阪大学 物理工学/精密工学コースは「原子レベルでのものづくり」 のパイオニアであり、この分野をリードする研究者と国内屈指の実験設備が揃う研究拠点。

 
室長
「原子レベルでのものづくりを究めるコース
 

トップ8制度

2年次の成績順で上位8名は特別に3年次から研究室に配属できる「トップ8制度」という特徴的な制度があります。

大阪大学は大学院への「飛び級」進学できるカリキュラム設定や制度設計がされています

日本の大学ではめずらしいですね。

この「トップ8制度」もそれの一貫でしょう。

上位層を伸ばすことに力を入れているのですね。

ある意味日本の教育に一石投じる気持ちがあるのでしょう。

ウルトラクリーンルームを保有

ナノレベルの精密な研究をする場合、微細な不純物が与える影響がとても大きいため、クリーンルームは必要不可欠です。

大阪大学は、世界最高性能の大型クリーンルームを2棟も独自に有しています。

 
室長
理系では実験設備も大学選びの大きなポイントとなります!
 

研究内容

とにかく、原子レベルナノレベルの研究に特化しています。

具体的な研究内容は

  • 半導体デバイスプロセス開発
  • X線光学素子・光学システム開発
  • 電気化学ナノ製造プロセス
  • 無線・無電極バイオセンサの開発
  • 共振ヤング率顕微鏡の開発
  • 量子力学の原理に基づく独創的な電子状態計算手法やシミュレーションプログラムを開発
  • 高速動作・低消費電力LSIを実現する半導体デバイスの研究開発
  • 難加工材を高能率・低コストかつ超平滑に研磨する方法の開発

などなど。

応用物理科目

応用物理科目のHP

応用物理科目の特徴
  1. 最先端の研究と新しい科学・技術・産業の創出
  2. ナノテクノロジー、光科学、バイオ工学、数理学が中心

とにかく最先端の研究!

応用物理科目は、どにかく最先端の研究新しい分野の創成に力を入れています。

分野にとらわれることなく、最先端を走る。

そのとき物理のみの知識ではなく、化学や生物の知識が必要になります。

 
室長
最先端の科学では、物理・化学・生物の垣根がどんどんなくなっています

ナノテクノロジー、光科学、バイオ工学、数理学が中心

応用物理科目での研究テーマの中心は

  • ナノテクノロジー
  • 光科学
  • バイオ工学
  • 数理学

です。

光科学とは、光を使った計測、観測、加工、制御、コンピューティング技術などのことで、「フォトニクス」と呼ばれている分野です。

バイオ工学は医療現場や医学の研究にで使われる最先端の機器の発明をしています。

(HPより)

研究内容

研究室での具体的な研究内容は

  • 電子ビーム・イオンビーム・X線を用いた新しい計測技術の開発
  • 先導的電子顕微鏡システムの開発
  • ナノカーボン材料を利用した超高感度バイオセンサーの開発
  • フォトニクスを用いた超解像顕微鏡の開発
  • 脳・神経系などの非線形システムを用いたモデル化
  • 分子やタンパク質などに直接的に働きかける光DNAナノマシンの開発

などなど。

まとめ

  • 工学系といえば阪大
  • 阪大工学部は企業との距離が近い
  • 1年次に「物理・化学・生物」すべての分野を広く学ぶ
  • ナノ
 
室長
以上、大阪大学工学部応用自然科学科の紹介でした!

余談:研究に「これくらいでいいか」はない

応用自然学科のQ&Aにおもしろいのがありました。

受験科目の化学・物理はどのくらいまで理解した方が良いですか?
勉学に限界はありません。自分の限界を目指して、そして、その限界を突破して進めるところまで突き進んで下さい。
一日どのくらい勉強しないといけないものですか?
勉強時間は自分で決めるものです。大学での勉強の本質は、自分で興味のある事柄を見つけ、それを深く追求することです。
 
これらの内容は、受験勉強と大学での研究の違いを端的に表しています。
受験勉強というのは枠(満点)が決まっていて、「8割位取れたら良いか」と考えがちですよね。
 
学問は「青天井」
 
です。
実際の研究では、やればやるほどわからないことが増えたり、さらにやらなければいけないことが増えたりします。
さらに、めっちゃ進んだと思ったら振り出しに戻ることもあります。
まず最初に「とりあえず最低限何をやっといたら良いか教えてくれ」と考えるような所謂効率の良く要領よくこなす人は受験勉強では結果が出るかもしれませんが、研究では行き詰まることも多いです。
 
「このくらいまで」と考えるより、効率が悪くともとにかく夢中で突き進んでいくようなタイプの人のほうが研究では成功するかもしれません。
 
同じ勉強でも、受験勉強と研究では少し思考回路のスイッチを切り替えないといけないのです。
きっと大学側も「受験勉強からなかなか切り替えられない生徒」が多くて苦労し、このようなQ&Aを作成したんだろうなぁと感じます。
 
受験生には想像しづらいかもしれませんが、頭の片隅に置いておいてください。
 
そして、できれば高校生の間から「枠にとらわれない勉強」をしてみてください
枠にとらわれない勉強とはなにか?
簡単に言うと
テスト範囲にとらわれず、興味があることを自分で調べる(学ぶ)勉強
です。
例えば、高校では「光電効果」を学習しますが、光電効果はアインシュタインがノーベル賞を受賞した研究です。
アインシュタインといえば、世間的に一番有名なのは光電効果ではなく、「相対性理論」でしょう。光電効果と相対性理論のつながりを調べてみるとか。
そもそも「相対性理論」は何か調べてみるとか。
なぜ、相対性理論ではなく光電効果にノーベル賞が与えられたのか?とか。
これらすべて、学校の図書館にある本で学ぶことが出来ますよ。
これらはテストには出ませんが、物理学上では非常に大切なことです。
さらに、物理学上大切なことだからというよりも「めちゃくちゃおもしろい」んです。テスト範囲とかどうでも良くなるくらいおもしろい。
 
室長
ゲームにハマったときの感覚に近いかな?
 
逆に「テストの点数にもつながらないことに時間を費やすのは馬鹿らしい」と感じてしまうような人は大学の研究では苦戦するかもしれませんね。
まぁ、そういう人もまだ受験勉強ではない学びの楽しさを知らないだけだと思います。
 

注意事項

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